タイの歴史について、最初はネットで、次は図書館で本を借りてきて読んでいます。昨日は新たに「アンコールへの長い道」という書籍を発見。
出版は1999年。著者は土方美雄(よしお)さんという方で私より2歳年上。このかたがアンコールワットの遺跡に魅せられて探訪する過程がまとめられています。
まだ10ページほどしか読んでいませんが、「なんだか面白そうだ」という印象です。
最初に出てきたのがピマーイ遺跡に関する記述。改めてウィキペディアでこの遺跡について調べてみると、建てられたのは11世紀から12世紀の間という記述があり、結構古い遺跡だということも分かりました。
残っている遺跡の形を見るとクメール王朝の様式にのっとっているようで、建てられた時期はクメール王朝に支配されていたのではと推察できます。
そう考えて周辺の位置関係を見ると、南東260kmのところにアンコール遺跡があると書かれていて、アンコールとの強い関連も分かります。
てなことを考えながら、手元にある、昔タイ旅行にはまり始めたころ購入した「わがまま歩き タイ アンコールワット」というガイドブックを改めて見てみると、この辺りのことがかなり詳しく書かれていてびっくり。
私のタイ旅行は、最初物価が安いといううれしさから始まって、一通りの観光を済ませ、次が夜遊びや夜の飲み歩き。これが今も続いていますが、同時にタイ料理や寺院見学にも目覚め、最近は歴史にはまっているという経過を辿っています。
というわけで、このガイドブックを購入した当初はアンコールワット等の説明部分はほとんど関心がなく読み飛ばしていました。いま改めて発行年を見たら2004年でした。
購入して15年後にアンコール等の記述が参考になり始めたわけで、今後はこのガイドブックの記述も読みこなさないといけないなと感じています。
それにしても、昔は国境なんてものはなかったはずで、アフリカに端を発した人類がいつの間にか東南アジアまで進出。どうやら中国の山側と、タイの場合はマレー半島から人類が上陸したのだと思われます。
ところが幸か不幸かタイの場合、バンコク周辺は治水技術が発展していない段階では川の氾濫も頻発し、乾いた地面も少なく、人が住める環境ではなかった。
従ってタイという国に定住するためには山側から移動してくるほかない。移動して来た理由も、元居た場所を追い出されたとか、より良い環境を求めてとか、まあいろいろあるのだと思います。
そして適当な平原や盆地が見つかるとそこに定住。徐々に人口が増えてくるとさらなる新天地を求めて、徐々に山から離れて、今でいえば南に向かっていく。
そういった集団があちこちに出来ると、やがて集団内で階級が分かれたり、集団同士のいざこざも増えたりして、それらを繰り返しているうちに、大きなリーダーシップを持った人が周辺グループの統治を始める。
そうやって、集団同士がくっついたり離れたりしながら徐々に大きな集団を形成。それが後の世から見ると、一種の都市の集合体となった国家の原型になったということで、それがドヴァーラヴァティ王国ですね。
その後この王国は500年ぐらい続いたようですが、その間に東の方で成長したクメール帝国との紛争を経て衰退。代わってあらわれたのがスコータイ王朝。
さらにアユタヤ王朝やトンプリー王朝を経て現在のラッタナーコーシン王朝につながっているということみたいです。まあ私の勝手な憶測も入っていますし、専門家から見れば稚拙な見方かもしれません。
しかしこういったイメージができたことで、それぞれの王朝の文化を反映する寺院の建築に様々な様式があることも良く分かりました。
そんなわけで、大まかなタイの歴史が分かり、その時代に合わせた建築様式の寺院があちこちに建設されたということも分かってきたので、次に関心を持ったのがそれぞれの寺院が建設された時期。
この時期が分かれば、なるほどその時代にはこういった王朝がその地域を支配していたんだなと逆にわかりそう。というわけでそういった一覧表がないかなと思ってネットを探したのですが、検索方法が悪いのか見つからず。
だったら自分で作っちゃえと思って、手当たり次第に自宅にあるガイドブックやネットの情報を漁って、目下表計算ソフトに入力中。
なんだかフルタイム勤務時代の教材研究を思い出しますが、その分野は自身の専門(なんと物理)とは全く異なります。ある意味老後の一種の研究課題ができたかなと思っています。
しかも調べれば調べるほど、今度はさらにさかのぼって、どのようなルートでアフリカから人類がはるばる東南アジアまでやってきたのか?
またアジア系の皮膚の色や顔立ちはいつ頃どのように形成されたのか?という文化人類学的な考察も必要だなと感じ、改めて4大文明発祥なんていう50年も前に学校で勉強した語句を思い浮かべています。
さらに言えば、そういったアジア系の一部の人が対馬列島あたりを経由して日本人の祖先になったという記述もあり、タイの人たちの先祖は日本人とも共通している部分があって、だからこそタイという国に日本人は魅力を感じるのか、と妄想がどんどん発展。
まあともかく壮大な歴史の流れを感じるようになりました。