大学の合格発表

 浪人生活1年で、ほぼ目標とする大学に合格することが出来た。浪人生活の模様はまた別の機会に書こうと思っています。

 受験勉強のプレッシャーにも人並みに襲われたためか、合格発表は強く印象に残っています。

 初めにすべり止めの大学の合格発表を見に行きました。1年間の成果が問われるのですから、非常に真剣です。

 受験票を握りしめ、受験番号を何度も確認して、発表の掲示板を見ました。掲示板には受験番号のみが書かれています。もっと昔の合格発表では名前も書かれたことがあったようです。

 まわりでは悲喜こもごもの様子。大声を上げたり、記念写真を撮ったり、そっと肩を落として帰路についたり、様々です。幸いにも私の受験番号も掲載されていて、とりあえず行く場所が確保出来たことにほっと胸をなで下ろしました。

 実はここの大学には自信が少なからずありました。試験問題がずいぶん易しく感じられたからです。とりあえず家に合格の電話を入れ、昼食をとりました。

 それから今度は本命の合格発表へ。忘れもしない317番、正門を入り掲示板に向かう時は、期待と不安が入り交じった複雑な気持ち。

 あたりにはすでに発表を見終わった生徒がいます。入学手続きの書類を誇らしげに持っている生徒も見えます。10時発表だったので、すでに受験生の数は少なくなっていました。掲示板に向かって歩きますが、足元はいまいちさだまりません。

 掲示板を見ます。番号を捜します。まず学科を見て、次に番号を確認。何やら317が見えます。本当だろうか。

 受験票の受験番号を再度確認。ある。見える。この辺の時間的感覚はもしかすると一瞬だったかもしれません。しかし色々な事が頭をよぎりました。周りには数人の受験生がいます。

 午後の遅い時間なので、合格しても不合格でももはやあまり感情を露わにしていません。私もその雰囲気に飲まれて、いまいち態度には表せません。しかし内心は「やった、やった」の歓喜。ともかくすぐに家族に報告です。

 事務室で入学手続き書類を受け取り公衆電話へ。今と違って携帯もテレカも無い時代。半分泣きそうになりながら報告。本当に嬉しかった。

 入学手続きの書類の中に、大学の授業の案内書やクラブ活動の様子等が書かれたパンフレットや雑誌が入っていて、うれしくて何回も何回も取り出して眺めていたことを今でも思い出します。

 ここまでは順調でした。

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入学後の躓き


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