教師の多忙と休み時間


教員の多忙が生徒に与える影響

 昔は良かった、と昔だけを賛美するつもりはありませんが、教育という仕事は片手間には出来ません。しかし現実には会議の原案作成、様々な報告書の作成に割かれる時間が膨大なものとなっています。

 教育は教員側にある程度時間的ゆとりがないと、生徒にゆったりとした精神状態で接することが出来ません。大多数の教員は良心的な人たちですから、生徒達から質問や相談事があれば親身になって対応しようと努力していますが、中には忙しすぎて「そんな質問は自分で考えるろ」とか「そんなことも分からないのか」、「この前説明したばっかりだろう」という返事で済ませてしまうような現場も何回か見たことがあります。

 教員側としては、忙しい最中に何回も説明したことをさらにくどくどと聞かれ、鬱陶しいと感じる人もいるのかもしれませんが、なぜ鬱陶しく感じるのかという根本には、日頃の忙しさがあるような気がします。

 パソコンというのは、不思議な機器で、これを使って作業をしていると、ものすごく集中します。一方集中している途中で、「ちょっといいですか」、と横やりが入ると、自分の意識をそちらに向けるのに、流れていた思考が中断され、ひじょうに不快感を覚えます。

 その不快感の原因を作ったのが同僚や管理職なら理性的に対応しますが、生徒の場合、つい口調が荒くなってしまうということが結構あるのではないでしょうか。


休み時間の教員の動き
授業の合間の休み時間は、たいがいどこの学校でも10分です。昼休みは40〜50分ぐらい。この間に教員は何をしているか。

 こんなことを書くと不謹慎だと怒られるかもしれませんが、昔はチャイムが鳴ってから、「どっこいしょ」とか言いながら職員室を出て、ゆるゆる教室に向かい、授業の展開によっては数分早く終わる、なんてことも結構ありました。

 しかしそれは授業への真摯な態度ではないし、授業そのものを効率よく運営するのが教師の仕事である、という気運が高まり、今はほとんどの先生がチャイムの鳴る時間に教室に入る、または教室で鳴るのを待っているという学校が多いと思います。

 しかしそうなると、10クラス編成の高校あたりで、授業するクラスまでの距離が結構遠かったりすると、往復で3〜4分の移動時間が削られます。授業がちょっと長引いたり、生徒から質問等があれば5分ぐらいすぐに経ってしまいます。

 従って、2時間連続の授業の合間で10分休めると言っても、実際に休めるのは数分で、しかも職員室や準備室では印刷物の整理とか、他の先生との話があったりして、自分の席に座る暇もない、と言うのが実態です。 (余談ですが、最近の学校で、廊下を走っているのは教員だけかもしれません)


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