入試の目標設定


入試に関する目標設定


授業関係の数値目標は、そ高校の場合はかなり専門性が高いので、それほど細かく数値化されるわけではありません。ところが係分担になるとそうもいきません。

 教員は自分が分担している係についても、目標と具体的な行動を記述しなければなりません。私の場合は教務主任でしたので、学校全体がうまく動いていくように、学校行事や時間割を調整する、というような項目を一つ書きます。

 それ以外には、どうしても入試のことに触れざるを得ません。つまり生徒募集についてどのように行うか、ということです。例えば学校説明会を行う、と書きますが、何回行うのかという指摘が入ります。

 中学校訪問をして、入試制度や学校の説明を行う、と書くと、何校の中学校を対象にして、年間何回行くのかという話しになります。そしてそれらの結果として、昨年度を上回る受検者を確保するというような目標設定がなされます。

 入試は毎年行われているわけで、毎年毎年昨年実績を上回る受検生を確保するというのは夢物語なのですが、単純に言うと、実際に人数が増えれば、それは努力した結果であると評価され、減れば努力が足りなかったという評価になるわけです。


数値目標の現場への導入

 この数値目標を学校現場に導入する際には、当然様々な議論が教育委員会にもあったのではないでしょうか。ただ結果的には、学校全体の個性を生み出し、ある意味では学校同士を競争させ、教員に目標意識をもたせるという目的を達成するために導入しようということになったのだと推測しています。

 確かに年度ごとに昨年度の反省を踏まえ、次年度の目標を設定し、それに則って教育活動を行うというのは、ひじょうに理にかなったことのように思えます。効果的に活用できれば、学校自体も活性化するかもしれません。

 しかし反面、これらの事務手続というか、目標設定にいたるまでの仕事量は半端なものではありません。年度末に学校全体でその年の反省を行うのですが、当然原案を作らなくてはなりません。

 この原案は学校全体のもの、各係のもの、各学年、各委員会、各教員個人、場合によっては部活動等、すべてに対して行われます。当然一人の教員がいくつもの原案を作成する場合もあります。

 また作成原案に則ってそれぞれ会議が行われ、さらにその資料を全教員分印刷綴じ込みを行い職員会議となり、そこでまた議論があります。内容によっては再度持ち帰りと言うことにもなり、年度末の学力検査、卒業式準備、学年末考査、成績判定会議等々、様々な行事と時期が重なることもあって、その学校全体の事務量は膨大なものとなっています。

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