良い専門学校を見分けるために

 良い専門学校という定義は曖昧です。一般的には就職実績がよい、教育環境が良い、資格取得率が高い等が考えられますが、これらの条件は学びたい内容によっても異なります。

 いくら就職実績が良いように見えても、実はその専門学校で学んだ内容とはまったく関係ない企業へ就職している場合もあります。もともと就職口そのものの数が限られ、良い教育をしていても、就職率の悪い学校もあると思います。資格取得率が高いと言っても、その専門学校が作ったオリジナルの資格である場合もあります。いったい何を基準にして判断したらいいのでしょうか。

 以下にあなたがたが最初に目にする、案内パンフレットや募集要項のチェックポイントをまとめてみたので、参考にして下さい。ただしここに書いてある内容は、案内パンフレットにはまったく載っていないか、載っていてもほんの片隅にちょこっと書いてあるだけのことの方が多いようです。逆に言えば、ここに書いてある内容がきちんと明示されている学校は比較的安心できる学校であるとも言えます。

1 年間授業時数
 1時間何分の授業を年間で何時間行っているか。当然ながらこの時間数が多い方が基本的には教育熱心な学校といえますが、一般的には記載されていないことが多いようです。

2 2年間(または3年間)を通した時間割
 教育に不熱心な学校は、授業時間割のあちこちが穴だらけです。それが望みの人もいるかもしれませんが、実力がつかないのは明白です。

3 専任教員の割合
 非常勤講師をあたかも常駐しているかのように掲載しているパンフレットがあります。いくら有名人のなまえが教員として書かれていても、非常勤では滅多に会えません。学生総数に対して専任が何人いるかが重要です。
 
4 学費
 授業料等はきちんと書かれていることが多いのですが、その他の実習費、教材費等は書かれていない場合があります。

5 募集定員
 たとえば募集学科全体の募集人数は書かれていても、細かく分かれたその中のコースの募集人数が書かれていない場合があります。にもかかわらず、定員になり次第締め切り、と書いてあるのは不親切。願書は出さない方が良いと思います。

6 応募人数
 受験生が何人応募したのか、年度別に掲載されているのがベスト。人数が減少しているのは要注意。人気がなくなり経営面が心配です。まったく書かれていない学校もありま す。

7 卒業人員
 入学している人数と卒業人数を比較します。極端に差がある場合は、途中で退学したか留年している学生が多い証拠です。厳しくて留年しているのか、授業内容がいい加減で見切りをつけて退学しているのかは、この数字だけでは判断できません。

8 就職
 卒業人数と就職人数を比較。また就職先が専門学校で学んだ内容を活かしたものであ るかもチェック。就職先のデータは、前年度の実績ときちんと書いてあり、人数が明記されているものが信用できます。過去数年間の良いところの名前のみを掲載していたりする場合があります。就職率100%と単純に書いてあるのは要注意です。

9 資格
 入学人数と資格を取得した人数、すなわち取得率(合格率)が全国平均より劣っている場合は教育内容に問題があると思われます。また資格そのものが国家資格等の公的資 格ではない場合もあります。

10 実習先
動物や医療、看護、福祉系の学校では実習を必要とする場合があります。実習先がきちんと確保できているかをチェックします。動物や福祉系の学校は最近乱立気味なので、実習先が確保できない内に生徒を募集している事があるそうです。

11 カタカナ系の学部学科
 ・・・デザイナー、・・・コーディネーター、・・・インストラクター、・・・アドバイザー等、カタカナを使った今風?の学科名が増えています。なんとなく聞こえはよいのですが、内容は既存のものと変わらない場合があります。語感で判断してはいけません。



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