学校の階層構造

学校の階層構造

 高等学校というのは、通常の企業に較べるとその階層構造が単純で、トップは文部科学省、その下に都道府県の教育委員会があり、その下に各学校が位置します。これは公立も私立も同じです。

 校内では、トップが校長で、その下で業務が二つに分かれます。一つはいわゆる教育の場で、もう一つが財政面を支える事務です。

 教育の場のトップは教頭となり、事務のトップは事務長となります。教員数は生徒の数で決まっていて、およそクラス数の2倍になります。事務の方も定時制のような小さな職場では事務長以下に数名から、大規模校でも10名ぐらいではないでしょうか。

 事務職については、さらに通常の地方公務員と同様に、細かい肩書きがありますが、教育職の場合は教頭以下、各部の主任というのがありますが、これは役職としては微妙な立場です。

 最近は教頭と主任の間に、主幹という、管理職を補佐し、将来管理職になる肩書きが加わりました。最後に主任以下一般教員、そして非常勤講師という構成になっています。

で面白いのは、一般教員の中には校長よりも年上の人もいますし、新卒の20代の先生もいるということです。これらの教員が年齢構成等を参考にしながら、例えば学年の担任団を構成します。

 この人数は副担任にまで含めると、クラス数×1.5〜2という人数になります。従って1学年6クラス規模の学校では、担任が6人、それ以外が3人から6人ぐらいという構成です。

 しつこいようですが、その中に新卒から50代の教員が含まれ、学年会議になると、誰もが同じ立場で発言権を与えられます。

 この辺が通常の企業とは大きく違うところだと思うのですがいかがでしょうか?(私は企業に就職したことがないので想像です)簡単にいうと、何の経験もない先生も、ベテランの先生も、その発言力は同じように保証されている、ということです。

 従って、時には年代による価値観の違いから、意見が大きく割れることもあります。例えば生徒指導の服装規定なんかでは、よく意見が割れます。

 なお最近(2010.11)のニュースで管理職の降格が増えているという記事がありました。「やはりな」というのが率直な感想です。これは降格させられるのではなく、自ら降格を願い出る人が増えたということです。

 文部科学省がどう思っているかは分かりませんが、学校の組織が校長、教頭、主幹、(主任)、平教員という組織になり、特に教頭から(主任)のラインに様々な仕事のしわ寄せがいっています。

 特に主幹の方は、一般の教員集団からは、「あの人は主幹だから・・・」と言われ、校長、教頭からは管理職予備軍として、様々な仕事を押しつけられ、学校の中で身の置き所がない、と言うのが偽らざる感想ではないでしょうか。

 ちなみに私は、早期退職する直前まで平教員の一人として、教務主任という仕事をしていましたが、この仕事も徐々に主幹がやるのが当たり前、という雰囲気になってきました。

 教務主任というのは、管理職の意向と教員集団の中を取り持ちながら、学校運営の具体的原案を作成していくという職務です。その内もう少し詳しく説明できると思います。
  

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