体の中の水分は、血液、リンパ液、組織液という三種類に分かれます。ではリンパ液や組織液とはどこから生じるのかというと、血液の中の血球を除いた溶液(血しょう)の一部が毛細血管に達し、その毛細血管の血管壁から周囲ににじみ出したものが組織液と呼ばれるものです。
イメージとしては、血管とリンパ管が並行して走っていて、その間を細胞が埋めているわけですが、その細胞の隙間に入り込んでいる溶液が組織液となります。
この組織液が細胞間を流れることによって、栄養分が細胞に運ばれ、老廃物を回収します。回収された老廃物は再び静脈に戻ることになりますが、一部の組織液はリンパ管と呼ばれる部分に入り、これがリンパ液となります。
その後リンパ液はいくつかのリンパ節を経由しながらも、最終的には再び血液に戻ることになりますが、要するにリンパ管は全身に分布していてゆっくりと循環していると言うことです。
整理すると、血液の流れは
「心臓」 → 「大動脈」 → 「毛細血管」 → 「大静脈」 → 「心臓」 となり
組織液の出来方は
「心臓」 → 「大動脈」 → 「毛細血管」 → 「組織液」 → 「毛細血管」 → 「大静脈」 → 「心臓」 となり
リンパ液は
「心臓」 → 「大動脈」 → 「毛細血管」 → 「組織液」 → 「リンパ管」 → 「組織液」 → 「毛細血管」 → 「大静脈」 → 「心臓」 という流れになります。
当然ながら、血液は心臓で押し出されていますが、リンパ管には心臓のようなポンプがないので、流れは遅くなっています。
ではどうやって動くのかというと、リンパ管そのものに押し出す動きがあることと、筋肉の動きによって押されるということのようです。なおリンパ管内部には、動脈と同じような逆流防止の弁も付いているそうです。
しかしそうなると、運動不足の体の場合はリンパ液の動きもさらに鈍くなると言うことで、その場合感染症にすぐに対応できる体勢が作りにくいとも思えます。つまり適度な運動は筋肉を鍛えるだけでなく、このリンパ液の動きにも関与する可能性があると言うことです。
またリンパ節と呼ばれる部分では異物をこしとるフィルターのようなはたらきがあり、ここで濾し取られた異物は「単球」と呼ばれるリンパ球の仲間が処理(分解)します。
従って風邪をひいて喉が痛くなったりすると、首の横にあるリンパ節が、異物を必死にこしとり処理するため腫れるわけです。
なおリンパ節は首筋だけでなく、脇の下や太ももの付け根にも分布しています。触ってみるとグリグリがあるので確認できます。
さらにリンパ節で異物をこしとるために、リンパ液が動かないといけないと言うことにもなりそうです。