X線撮影


 いわゆるレントゲンと呼ばれるもので、生まれてから成人に達するまで、一度もレントゲン撮影を経験しなかったと言う人は、日本人の中にはほとんどいないのではと思います。ただしこのレントゲンがどのような原理で行われているかまで知っている方は少ないかもしれません。

 先ずX線とは何かということですが、これは電磁波の一種で、この電磁波を発見したヴィルヘルム・レントゲンさんという方の名前に因んでレントゲンという名称になっています。

 ではX線という電磁波とはいったい何かというと、通常は電波と呼ばれ、ラジオやテレビ、さらに携帯電話で使われているものと同じです。

 ただこの電磁波にもいろいろな種類があって、その区分方法は基本的に一種の波ですので、振動数または波長によって分類されています。

 通常はラジオの中波放送、短波放送、FM放送、さらにテレビや携帯電話、電子レンジ(レンジ内には高い振動数の電磁波が入り乱れて飛んでいます)等があり、我々が目で見ている、いわゆる光(可視光線)も電磁波の一種です。

 でこれらは今書いた順番で、その波の振動数が大きくなり、それと共にエネルギーも大きくなります。その結果可視光線よりも振動数が大きくなると人体にも物理的な影響が出始めます。

 可視光線のすぐ隣に位置するのは紫外線で、要するに紫よりもちょっとエネルギーが大きいのですが、目には見えないので知らないうちに日焼け等をするわけです。

 さらにこの紫外線よりもエネルギーが大きくなったものがX線で、ここまでくると人体をすり抜けます。ところがすり抜ける途中に密度の違う物体があると、その影響ですり抜けた後のX線の強さが変わります。

 その強さの変化を写真撮影したものがX線フィルム(レントゲンフィルム)となるわけですが、この透過度は皮膚や肺内の空気、筋肉は大きく、骨は小さくなります。

 透過したX線は写真上では黒くなり、透過しなかったまたはしにくかった部分は白っぽくなります。従って骨は白っぽくなり、その他の部分は黒っぽくなると言うお馴染みの写真になります。

 つまり骨折等の場合、白い骨の一部に黒い筋が入ることによって、その部分が骨折していることが分かるわけです。

 ただ、X線撮影は立体的な人間の体を平面に置き換えて撮影されますから、その写真を見る人は、それを頭の中で立体に置き換えて見ないといけません。(読影と言います)

 当然ながら、この読影には知識と経験が必要で、大学病院では読影専門の医師もいるみたいです。我が家の連れも胸部のX線撮影を何回も行いましたが、専門的な所見は主治医ではなく、この読影専門の先生がおこなってくれていたようです。

 その画像(主として胸部)についての説明も受けましたが、素人目では「ここに影らしいものがあります」(主治医も断言はしていません)と言われてみても、似たような影はいっぱいあるので、そう言わればそうかとも思えますし、「これは血管等の影です」と言われれば、「はあ、そうですか」と言わざるを得ません。

 ようするに専門家でも難しい読影を、素人がいきなり見ても、残念ながら何も分からないということです。従ってそこから先は医師との信頼関係になってしまいます。

 ましてや我が家の場合のように、その場所に悪性リンパ腫が存在するのかどうかも疑わしいような症例の場合(腫れとかの症状がなかったので)、その痕跡を見つけるのは、X線撮影ではかなり難しいんだなという印象を持ちました。

 そのため、CTやMRI、最後の方ではPET検査まで行ったと言うことだと解釈しています。 



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