MRI 核磁気共鳴画像法

 MRIとは「magnetic resonance imaging」という英語の頭文字をとった検査方法です。「magnetic」は磁石をあらわすマグネットという言葉から分かるように、「磁気の」という意味です。

 「resonance」は物理学的な用語で「共鳴」とか「共振」という意味を持ちます。家の近くをトラックが通り過ぎたとき、棚板や窓ガラスがびりびり震えることがありますが、これが共振です。またギターの弦をはじいたとき、楽器全体から大きな音がすることを「共鳴」といいます。

 どちらも、ある振動数を持った物体があると、その振動数と同じ振動数で振動しやすい物体があると勝手に振動をはじめるという現象の事です。「imaging」というのは画像にするという意味です。

 ただ言葉の意味は分かっても、この診断装置そのものの原理を理解するのは難しいなと言うのが第一印象です。
 
 しかし原理は分からなくても、体の回りに強い磁場を発生させ、その磁場に体の中の細胞に含まれる原子が反応して、その反応の度合いを画像で解析する、というようなイメージを持っていればいいのではないかと思います。

 検査の時に言われることですが、金属のものを身につけないようにするのは、強い磁場のため金属が簡単に磁力を帯びてしまい、撮影される画像が乱れるからだと思われます。

 当然ながら骨折等で関節にボルトが入っている場合等は、このボルトが強い磁力によって引きつけられ、思っても見ない方向に動くことがあるので、患者さんはあらかじめその旨を医師に伝えておかないといけません。

 しかしこういった不便さはあるものの、前ページで説明したCTに比べると、いわゆる放射線被ばくは無視できる利点があります。

 ただ検査はCTに比べて時間がかかるという欠点があるのと、結構大きな音がすると、この検査を受けた連れが言っていました。もちろん大きな音がしても、体に痛みが生じると言うことはないので、患者にとっては受けやすい検査であると言えます。

 また体全体をCTと同じように輪切りにして検査できることも、診断に役立ちます。ちなみに悪性リンパ腫で病巣がはっきりしている場合は、この検査が結構有効であると感じます。


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