貧血の治療

 結局貧血の定義は、基本的に血液中のヘモグロビン量が通常より少ないと言うことになりそうです。

 ということは前ページにも書いたように、末端組織へ運ぶ酸素の量が少ないと言うことになりますから、ともかく体のあらゆる部分に様々な症状が出る可能性があります。

 従って、もしガン患者さんまたは悪性リンパ腫の患者さんにこのような貧血症状があったら、当たり前ですが出来るだけ早くその状態を改善したほうがよいという結論になります。

 そのためには先ず原因を調べなくてはいけません。ただしその原因が病的なものである場合は、専門的な医師の判断によって治療を行う必要があります。

 というわけで、このサイトが取り上げるような一般的な貧血について調べてみると、これはいわゆる鉄欠乏性の貧血が該当するのかなと思われます。

 なぜ鉄が不足すると貧血になるのかということですが、そもそも赤血球中に含まれるヘモグロビンには鉄分が含まれていて、この鉄分が酸素と結合するからです。

 と言うわけで一般的に「貧血」と言うと「鉄が足りない」と言うことになり、「鉄分を補給しなさい」と言う事になるわけです。しかしだったら鉄分さえ摂っていれば貧血にならないのかというと、そうでもなさそうです。

 つまり鉄があってもそれを吸収できないようなこともあるわけです。ただこのサイトの主旨(悪性リンパ腫の治療で自分で出来ること)から言うと、そこまで考えてもしょうがないように思います。

 結局、貧血の治療で自分が出来ることは、もし食事が片寄っていたら、それを強制的に直す、という事が基本になるということです。またこれもいつも言われることですが、鉄分の多い食品を食べると言うことです。

 具体的にはレバー、赤身肉、貝類、赤身の魚、卵、牛乳、海草類、大豆食品あたりでしょうか。ネットでは、貧血の食事、と言うような語句で検索するといくらでも見つかります。

 ただ、よく健康食品の宣伝で、「これさえ飲めば治る」みたいなニュアンスを感じることがありますが、基本的に食べ物はいろいろなものを食べて、その相互作用というかその成分を組み合わせて我々の体を作るわけです。

 従って、いくら体によいことが分かっていても、特定の食品だけを摂り続けると栄養の偏りが激しくなり、貧血にはならなかったけれど、他の病気になってしまった、と言うことも充分に考えられます。
 
 つまり良質の食事というのは、個々の食品の出来具合はもちろんですが、その組み合わせもいろいろ考えて摂取しないといけない、という結論になります。

 ここまでで、血液による酸素の運搬に伴う問題として、動脈硬化、ドロドロ血液、冷え、低体温、貧血を考えてきました。どの項目についても、何か問題がある場合は、基本的には「食事」「運動」「ストレス解消」の三原則が適用できます。

 残っているのは「低血圧」ですが、これは定義そのものが曖昧で、多少血圧が低くても日常生活にそれほど支障がなければ問題なさそうです。従って、ここまででいったん区切って、次ページから血行改善で他に何が出来るかを考えてみたいと思います。 


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