笑いと免疫力

 これを免疫力という観点から見れば、何もNK細胞にこだわるまでもなく、体内の血流が回復し、リラックスによりストレスが減り、血流の回復により食事中の栄養分が体内のすみずみまで行き渡り、笑うことにより呼吸が活発になり、酸素がきちんと取り入れられ、笑うことによって上半身が活動するわけですから、適度な運動にもなるわけです。

 従って、これまで考えてきた免疫力を上げる4項目である、ストレス解消、良質な食事、充分な睡眠、適度な運動という要素の睡眠以外のすべてを含んでいるような気がします。

 ということは、変な例えですが、「涙が出るほど笑い転げ」、「息苦しくなってもうやめてくれ」と叫び、それ以上笑わされたら「おしっこが漏れちゃう」というぐらいの笑いが、免疫力アップの原動力になりそうです。

 逆に言うと、私なんかはそうゆう所があるので反省しなくてはいけないのですが、世の中の不幸をすべて背負い込んだような仏頂面で、お笑い番組なんか馬鹿馬鹿しくて見られるかと思い、ともかく寝れば治る、みたいな事を考え、ひたすらベッド上で鬱々と過ごす、という状態が一番悪いような気もします。

 重い病気になると、人間の思考は私も含めて、つい悪い方向に向かってしまいますが、その時にどれだけ笑えるかというのが、その後の治療においても重要な気がしてきました。

 私の連れは脳天気な性格で、1年目の治療では病室ではひじょうに明るく振る舞っていて、医師や看護士さん達から驚きの目で見られていたようです。

 2年目もその心意気でハワイ旅行まで成し遂げたのですが、帰国後の第3クール、第4クールあたりから徐々に化学療法の副作用がきつくなり、笑いが減っていったように思います。

 私はその時点でいったん治療を中断すべきだと思ったのですが、本人は悲壮な決意?をして第5,第6クールまで行いました。

 その時はもうすでにあまり笑うこともなく、ただひたすら副作用に耐えるという状態でしたから、体内の免疫力もやはり落ちていたのだと思います。今振り返ってもやはり悔しい思いでいっぱいです。
 


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