て原理についていくつか疑問を感じたので、自分なりに考えてまとめてみました。
@ 爪の生え際に神経線維が密集している証拠が不明
人間の指はひじょうに細かい作業を行うために、痛点、圧点、温点、冷点といった感覚を探知する細胞の数が多いことは知っています。
細胞の数が多ければ、そこで得られた感覚を脳に伝えなければいけませんから、神経組織も発達していることは推定できます。しかしそれが指の爪の付け根に集中していると言えるのかどうか不明です。
ただ詳しく調べてみると、東洋医学では、手や足の爪の付け根の両側に「井穴」(せいけつ)というツボがあり、ここを刺激することによって自律神経が調整できるという記載があります。
従って爪もみによる免疫力強化というのは、東洋医学が根拠になっているのだということが分かりました。
A もむ、または押す事によって、なぜ自律神経のバランスが整うのか
これについても東洋医学でそう記載されているから、といってしまえばそれまでですが、神経が密集している部分を刺激すると自律神経のバランスが整うと簡単に結論づけてしまうのもおかしな話で、ここには論理の飛躍があります。
ただ指の末端ですから、本来この辺りをサラサラと流れている血流がストレス等によりこの辺りで流れにくくなっている可能性はあります。
そういった、組織が硬化したような部分を揉んであげることにより、血流が回復し、神経組織にも充分な栄養と酸素が行き渡るため、末端の神経組織の情報が、大脳という中枢組織に伝わりやすくなり、自律神経のバランスが整えられると考えれば、一応理屈には合うような気はします。
つまりこの場合は揉むことによって自律神経が刺激されるのではなく、末端の血流が回復する、という部分に注目したいなと私は考えてしまいます。
B なぜリンパ球が増えるのか
そもそも体調不良になるときは、過度のストレスによって交感神経系が常時緊張しているため、いつのまにかリンパ球が減ってしまい、そのため風邪等を引きやすい状態になると考えられます。
そこでこの爪もみによって、血流を回復し、体全体がリラックスすることにより、優位に立っていた交感神経系を副交感神経系に戻す力が働き、交感神経全体のバランスが整えられ、減少気味だったリンパ球を増やし、好中球等の顆粒球とリンパ球の血管内の配分比率を整えることが出来る、ということなのかもしれません。
というわけで私の考えのまとめですが
爪をもむ → 末端組織の血流回復 → リラックス効果 → 神経に栄養とエネルギーが行き渡る → 神経が活動 → リンパ球が減っていることを感知 → 大脳に連絡 → リンパ球の増産指令 → 血管中の免疫細胞のバランスが整う → 免疫力回復、という図式になるのかなと思えました。
ということは、もしこの考えが正しければ、この療法は普段手足の末端が冷えている人に対して大きな効果があるように思えます。