抗がん剤の副作用とその対応(2)

・ 食欲増進

 化学療法で使用される薬剤の中には、抗がん剤の他に、体内の炎症を鎮めるステロイド剤(Yの場合はブレドニン)が投与されることがあります。

 その場合の副作用は、顔や体が丸みを帯びると言う外形的変化の他に、食欲が増すという副作用があるみたいです。

 ただし食欲があっても、抗がん剤で味覚異常や口内炎が生じたり、吐き気が出たりしますので、おなかが減る割には食べられないという二重苦にさいなまれます。

 すでに書いているように、しょうがないのでカキ氷のようなものを食べたりしていましたが、これでは体重は増えません。

 ただし抗がん剤の影響が薄れて、ステロイド剤の影響が強くなると、食欲も出て、体重は増える傾向にあるようです。


・ 腰痛、体のだるさ

 血球数が減少すると、健康な体ならただちに血球の増産体制がとられ、すぐに回復してきますが、化学療法のクールを重ねると、徐々に抗がん剤の影響が骨髄等にも及び、血球を作り出す能力が低下します。

 しかし抗がん剤の投与は、細胞分裂の周期にあわせて投与されるため、血球数が回復するのを待っていると、適切な時期を通過してしまうことがあります。

 そこで意図的に血球の増産を促す薬剤(Yの場合ノイトロジン)を投与して、骨髄に刺激を与え、無理矢理血球を増やすと言うことをやります。

 当然骨髄には大きな負荷がかかるわけで、クールが重なり骨髄が疲弊しているのに無理矢理増産体制を作るわけですから、骨髄に炎症のような現象が起き、それが腰痛や体のだるさとなってあらわれるようです。

 だるさについては、外部からは手の出しようがありませんが、腰痛については、マッサージをしたりすると少し気持ちが良いということでした。

 そこで私がいないときでも自分でマッサージが出来るようにマッサージャーを購入。最近は力の加減やタイミング等様々なバリエーションを設定できるものがあり、結構重宝しました。

 ただし通常の健康な体のマッサージと違い、かなり頻繁に使用するため、マッサージを行う振動部分の強度が弱いとすぐに壊れてしまいます

 高ければいいというものでもないと思いますが、見た目でもマッサージ部分がしっかりしているものを選ぶべきだと感じました。

 また化学療法が進行すると、次にまとめますが手の握力等が失われますので、握りやすいものという観点も必要かもしれません。


・ 手足の先端のしびれ

 あらかじめ主治医から、抗がん剤の治療では手足に痺れが生じるということを聞いていました。しかも痺れと当時に握力も失われ、病室で頻繁に飲んでいたミネラルウォーターのキャップをねじ切ることが出来なくなってしまいました。

 もっとも、ペットボトルキャップは普通の人でも結構力が要りますので当たり前だと思われるかもしれません。

 しかしちょっとした箱やつまみを回すのにも相当な努力が必要なようで、「出来るのが当たり前だったことが出来ない」というのは、ストレスをためます。QOLの低下と言ってもよいと思いますが、この点について病院側のサポートはほとんどありませんでした。

 せいぜいがたまたま居合わせた看護師さんがペットボトルを開けてくれると言う程度です。

 しょうがないので、100円ショップでいくつか福祉グッズを購入し、病院に持参しましたが、痺れがひどいときは、そういった道具もまったく使えず、かなり苦労したようです。

 この点については、福祉器具にもっともっと改善の余地があると思います。

 なおこの痺れの回復は、治療が終了してもしばらく続き、Yの場合1回目の寛解宣言が出て、実家での自宅療養になりましたが、日常の生活にかなり支障があったようです。

 結局回復の目安は治療終了後数ヶ月と言う感じだったと思います。

 なお福祉器具とはまったく関係なく、リハビリの一環としてWiiというテレビゲームを購入。ちょうど売り出された頃ですが、ドラクエを病室でやったりしていました。これは自然にリハビリになるような気もします。
 
 ゲームの性質上、リモコンを動かす必要があるので、それが良いと思っています。


トップぺージに戻る 治療中に気がついたこと CVからの感染症