中心静脈カテーテルCVからの感染症

 我が家の連れは、最初自宅近くの病院に入院。ここで点滴等の治療を受けたと記憶していますが、その点滴は通常の手から投与する方法でした。

 その後病気が悪性リンパ腫という名前であることが判明し、長期間の化学療法が必要で、「抗がん剤投与のためにもCVを使った方が良い」という主治医の説明がありました。

 しかしCVといきなり言われても何のことやらさっぱり分かりません。説明もしてもらいましたが、やっぱりイメージがわかず、最後は「それがやりやすいということならお願いします」、という結論だったように思えます。

 あらためてこの中心静脈カテーテルという点滴方法をウィキペディアで調べてみると、要するに注射針を刺して、そこから薬剤を投与するのではなく、体内の静脈の中に直接細い管を入れて、そこから薬剤を投与する方法だということが分かりました。

 一応体内に管を入れるわけですから、手術という形式になりますが、それほど大掛かりなものではなさそうで、立ち会う必要はないと言われました。

 利点としては、抗がん剤等の投与のために注射針で毎日のように何回も皮膚を刺す必要がなく、また注射針に比べると患者さんの動きも楽だということが、実際に見て分かりました。

 一方、管が挿入されている部分では、常に消毒が必要で、雑菌の繁殖を抑える必要があります。

 通常の体調ならまったく問題ないと思われますが、抗がん剤治療の場合は、好中球(白血球)が激減しますので、挿入部分で雑菌が繁殖しやすくなります

 当然ながら雑菌が繁殖すると、体内の防衛反応も活動を始めますので、必然的に炎症がおき、発熱します。

 我が家の連れの場合、このCVで化学療法を行っていましたが、なぜか採血は通常の注射針で3〜4日おきぐらいに行われていました。(CVで採血も出来ると書かれているページがありました)

 血液検査の結果の中に「CRP」という項目がありますが、これは体内で炎症が起きているかどうかを確認できる数値です。

 一般的な基準値の範囲は0.3以下となっていますが、通常の健康状態なら0.1以上になることもほとんどないようです。 

 この指標は大変鋭敏な数値のようで、実際に体内に炎症が起きると、発熱が始まる前からこの数値が上昇します。

 従ってこの数値の変化だけを見ていても、これが上昇してくると発熱が始まり、下降してくると、もうすぐ発熱が収まるという風に予想できます。

 で、上記のCVとの関連ですが、このCVを長期間使用し続けると、当然雑菌が繁殖する確率も高くなります。

 化学療法で好中球が減少しているときと重なると、数値は急上昇。そして高熱というパターンになります。

 連れの場合は、あるとき血液検査の結果、CRPが0.205から7.66へ急上昇していることが分かり、「感染症が疑われる」と主治医から言われました。

 そのときの症状は、頭痛、かなりきつい腰痛、はげしいだるさを感じていましたので、好中球も少なかったのだと思います。

 そのときの検査の結果、感染症の原因は、CVの管からの感染であることが分かりました。Yの場合は足の付け根から毛細管を血管内にいれていましたが、数ヶ月たつと挿入部分で炎症を起こすことが多いようです。

 結局いったん毛細管を抜き取ることになりましたが、その後はウソのように炎症も治まりました。

 ひじょうに便利なCVですが、患者さん側も取り扱いに注意して、特に化学療法を行っているときは管周辺の雑菌の繁殖に気をつけないといけないということが良くわかりました。

 この後似たような雑菌の繁殖がもう1回ありました。延べ1年半の入院期間の中では2回だけだと記憶していますので、早々頻繁に起きるわけではなさそうですが、発熱が始まると高熱になることが多いようなので注意が必要です。


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