だるさと血球数の関係

 8月29日(水)、転院73日目。

 点滴はソルデム、セフォン、ラステット。体調は良いが味覚異常で食べる気になれないようだ。、腹が減っていないわけではない。

 ラステット投与の途中で、点滴管の不具合があり、投与量を調節している機械が警告音を出す。点滴は機械によって投与量を一定にする薬剤と、比較的適当?に管の中を落ちる時間当たりの水滴の数で決める方法と2種類ある。抗がん剤の場合は機械を使うことが多い。

 4人部屋への移動は、他の入院患者さんとの折り合いがついたらしく、とりあえず中止となった。しかし今後はいつでもありえると考えなければいけないだろう。

 そのときのために、私自身が4人部屋の大きさを確認させてもらった。通常の病室よりかなりゆったりと作ってある。設備も個室と変わらない。唯一面倒なのは、やはり共用となるトイレや洗面所だろう。

 大部屋のいいところは、同じような病状の患者さん同士が助け合えることや、いろいろ話をして時間つぶしや情報交換をすることができることだろうか。

 しかし私のような神経質で人見知りをする人間にとっては、いちいち他人の動向が気になるし、ちょっとした騒音でも夜は安眠できないように思えてしまう。

 Yの場合は、どちらかというと楽天家の話し好きであるから、大部屋でも体調に支障さえなければ問題は少ないはずだ。

 血液検査結果で、LDH:277、ALP:292とずいぶん下がってきた。CRPは1.49とまだ若干高いが、体温は36.8度なので、炎症というよりも、いろいろな薬剤が体内に入っている影響ではないだろうか。

 白血球が減少するのはやむを得ないが、この頃から少しずつ血小板への影響も現れ始めた。赤血球と血小板は、足りなくなると輸血をせざるを得ない。

 これまでYは、折に触れて自主的に献血を行っていたので、多少なりとも誇りを持って輸血を受けることが出来る。しかし今後ひたすら続く輸血は、Yが献血した量より遥かに多く、実にたくさんの人が自主的に献血を行い、医療に貢献しているのだということを改めて認識させられた。

 30日(木)、転院74日目。朝から順調に治療が続く。点滴は昨日と同じく、ソルデム、セフォン、ラステット。

 31日(金)。朝からだるく、食欲がないというメールがくる。抗がん剤の影響なのかステロイド剤の影響なのかをインターネットで調べるが、どちらの可能性も考えられる。

 体温は平熱で血圧も正常なので、やはり何らかの薬剤の副作用だろう。しかし入院のきっかけが、全身の倦怠感で、原因が高カルシウム症だったことを考えると、「これはまた病気の勢いが増したか」と、つい不安になる。しかしだるさ以外の顕著な症状は皆無だ。順調に回復していると思いたい。

 後々の症状から判断すると、だるさは常に血球数減少時に表れることがわかった。昨日まではこれほどだるさがひどくなかったらしいので、この時期急激に血球数が落ち込んだと思われる。それを裏付けるように昼過ぎから赤血球を輸血。ノイトロジンが投与される。


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