再度発熱後、徐々に回復

 10月8日(月)、転院113日目。

 いったん納まるかに見えた発熱だが、この日になって再び上昇。Y本人も、取巻く家族も、先が見えなくなり気が気ではない。朝38.0度の熱が昼過ぎには38.5度まで上昇。

 しかも昨晩から胸の辺りが痛いと言い出した。これはリンパ腫の活動活発化または肺炎の兆候かと焦る。しかしレントゲンの結果は異常なし。原因不明。相変わらず血球不足のだるさと味覚異常が続いている。

 翌9日(火)も朝から38.0度。入院当初の発熱もそうだったが、どうも朝方高い傾向がある。水不足か自律神経系の乱れか。しかし最高値は38.3度で39度を越えるようなことはなかった。

 ところが血液検査結果を見てびっくり。LDHが813と妙に高い。やっぱり単なる炎症ではなくリンパ腫が・・・、という疑問を持つが、主治医の話では、「急激に白血球が増えたからでしょう」ということで一件落着。確かに白血球は6日の180から今日は17400と急増していた。

 10日(水)も朝方38.2度の熱が出たが、その後は最高で37.8度までしか上がらず、ひじょうに緩慢ではあるが、熱が下がり始めた。

 11日(木)は終日37度代でようやく終息を迎えそうな雰囲気になってきた。Yも自分の体調が良くなってきたのを実感しているようで、表情も明るくなってきた。

 12日(金)。朝の検温は37.5度であったが、その後は終日平熱。LDH630、ALP346と高いが、これは白血球が急増するときに増える傾向と教えられたので、あまり気にする必要はなさそうだ。

 CRPは正常値に近づき、白血球は24300と多過ぎるぐらいある。血小板も109と上昇傾向で、全体として間違いなく回復している。これを裏付けるかのように、さんざん苦しんできた味覚異常も納まり、食欲も戻ってきた。

 13日(土)にはお粥を食べるようになり、熱の最高値も37.0度であった。

 14日(日)、転院118日目。この日は私の母親、妹と共に病院に出かけた。元気なYを見て、心配性の母親もうれしくてしょうがない様子だ。話が弾んでいる。それを見ているこちらの頬も緩んでしまう。

 Yが入院しているのは最上階の無菌フロアだが、この病院の2階には、コンビニや喫茶店が併設されている。これまでは病室のあるフロアに閉じ込められていたYだが、白血球が充分に増えて、治療経過が良好と判断されれば、自力で行くことも許される。

 見舞いの際にも、第1目標は2階の喫茶店、というのが合言葉になっていた。それが実現するのも時間の問題であるかのように思える。

 転院の時に救急車で運ばれてきたことを思うと感無量だ。Yの楽観的な性格と、病院スタッフの的確な治療と献身的な看護の成果であると思う。


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