ハワイ旅行

 退院後Yは実家で静養。といっても体調は良好なので、近くのスーパー等へ母親と共に出向き旅行の準備。出歩けばリハビリにもなる。

 時々私も実家に出向いて、実家のそばの喫茶店で旅行時の打ち合わせ。歩行器を使っているこ、連続して長い距離歩けないこと、手袋やマスクをしていること、気づかれなかったと思うがウイッグを使っていること、等を除けば普通の人と何ら変わりない。これで本当に体の中にリンパ腫細胞が生き残っているのだろうかと思ってしまう。

 7月の終わりに車椅子が到着。試運転を兼ねて、母親と共に近くを散歩することもあったようだが、やはり歩行器の方が便利なようだ。逆に言うと、それだけ体力が回復していると言うことだ。

 そんなこんなで8月3日を迎えた。我が家から息子と共に実家へ向けて出発。実家でYと荷物と車椅子を積み込み成田へ。

 実際の旅行は8月3日(日)〜21日(木)までの長期旅行だ。闘病記とはあまり関係ないが、ハワイ行きがYの闘病の中では大きなウエイトをしめているので、その概略をまとめておく。

 我が家のハワイ旅行のスタイルは、基本的に安く長くを目的とした家族旅行である。滞在そのものを楽しむスタイルだ。今回はYの病気のこともあって、期せずして、車椅子を利用したバリアフリーの旅行になった。

 ハワイはこれまで何回も行っているので、入出国の手続きや現地での土地勘もある。自然と都会がうまく調和したリゾート地であり、障害のある人にとってもひじょうに親しみやすい街だ。

 今回は、私がちょうど年齢的に節目の年になっていたため、リフレッシュ休暇が取得できた。そのため年休や休日出勤の代休と組み合わせて、これまででは最長の旅行となった。

 宿泊はコンドミニアムと言って、マンションの一室をレンタルしたものだ。通称バケーション・レンタルという。コンドミニアムは、自炊が出来て、一般的に部屋がホテルより倍近く広いので、家族旅行には最適だと思っている。

 病気を抱えた身でハワイに行って何が楽しいのかという考えもあるかもしれない。しかしハワイという土地特有のヒーリングパワーというものを感じることも確かだ。

 行っただけで、とげとげしくすさんだ気持ちが、素直で寛容な気分に浸れる。私自身もぜんそくやアトピー等の持病を持っているが、これらはなぜかハワイでは症状が一切現れない。なんとも不思議だ。

 さらに、空気が美しく、毎日のように続く澄み切った青空を見ていると、それだけで体が浄化されるように感じる。

 ワイキキの街中で遊ぶのも楽しいが、レンタカーを使ってオアフ島の北部や西部を自由に動き回るのも面白い。車は右側通行だが、これにもずいぶん慣れた。今回はYの母親も同行し、三世代の楽しい旅行となった。

 旅行中に撮影した写真に写るYの笑顔は、これまでにない美しいものだ。心底楽しんでいる様子がよく分かる。「行って良かった」今もって正直な感想である。

 もちろん車椅子ならではのハプニングもあった。しかしそれも楽しい思い出である。このまま帰国しないでハワイにいられたら・・・。滞在中何度も思った。

 詳細については、私自身のハワイに関するサイトを参考にして欲しい。我が家のハワイへの思い入れも理解していただけると思う。(2008年の旅行記です)


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