ヒスタチン
唾液中に含まれるたんぱく質で、抗細菌活性、抗菌活性をもつと書かれていますが、その詳細はよく分かりません。
また傷をふさぐ役割もあると書かれていますので、口腔内に怪我等で傷が生じたとき、細菌の繁殖を防ぎつつ、傷を直す働きがあるのかなと思えます。
その意味では、「怪我をしたらつばをつけておけば直る」と昔よく言われたことも何となく納得できるような気がします。
ベルキオシダーゼ
有害な活性酸素が生じたときに、この物質によって無害な水に変えてしまう働きがあるようです。
それ以外については、内容が専門的過ぎてよく分かりません。
アグルチニン
血球や細胞を集める働きがあるようですが、詳細は不明です。
ディフェンシン
細菌やウイルス等に対抗する抗微生物たんぱく質と説明されています。作用ですが、この物質は微生物の細胞膜と結合する性質があるようです。
さらに結合した部分に穴を開け細胞内のイオンや栄養分を外部に流出させることによって、細菌を弱体化します。
免疫グロブリンIgA
様々な抗原抗体反応を起こす元になっている物質で、私は自分が喘息持ちで、なおかつアトピー症状があるのですが、その意味でこの物質の名前については、以前から何かと耳にしていました。
つまり体内で、本来はそれほどの異物ではないのに、必要以上に反応が起きることによって、それが喘息やアトピー、各種のアレルギー、場合によってはアナフィラキシー等のショック症状を起こすことがあるということです。
そこで抗原抗体反応とは何かということを改めて調べてみると、自分自身にも多少誤解があることが分かりました。
先ず「抗原」とは何かですが、一般的には細菌やウイルス、その他のたんぱく質となっていますが、まれに自分自身が作り出す物質が抗原となることもあるようで、これらは自己免疫疾患と呼ばれます。
また上にも書きましたが、アレルギー反応を起こすような物質の場合は、「アレルゲン」という言い方に変わる場合もあります。
ともあれ、一般的には人体に対してよくない作用を持つ異物と考えてよいかと思います。
それに対して「抗体」とは、そういった「抗原」に結合する性質を持つものの総称と考えて良さそうです。
つまり歓迎されない異物が体内に侵入しようとしたとき、その異物の分子構造に注目して、そこに結合して、「これは異物だぞ」という目印になるのが抗体の役目であり、それが免疫グロブリンと呼ばれているものです。
ただし私はここで勘違いをしていたのですが、免疫グロブリンの役目は結合することであり、結合した異物を破壊はしません。
実際に分解や破壊を行うのは「白血球」「リンパ球」「マクロファージ」といった物質たちです。つまり免疫グロブリンが目印となって、破壊する対象物を特定し、白血球が殲滅するという流れです。
一方当然ながら異物の分子構造の種類は、ほぼ無限と言っても良いと思うので、その分子構造に対抗するため、結合する側も臨機応変に結合の形を変化させる必要があります。
また同じ免疫グロブリンと言っても、その分子構造の違いによって種類がいくつか分かれていて、その違いがIgと書かれた後のアルファベットに現れています。
唾液の場合はIgA、IgG、IgMの三種類が含まれているようですが、中でもIgAの割合が多いようです。
従って、口の中に異物と思われる物が入ってくると、唾液中の免疫グロブリンがその物質と結合し、胃腸に送られたとき、リンパ球や白血球に補足され分解されるとうい流れになるのかなと思われます。