さてさて水の汚染度や汚染物質について書くときよく出てくる成分に、「トリハロメタン」という言葉がありますが、これは一体何だろうと気になってきました。
なんとなく悪さをしそうな名前ですが、具体的に人間にとってどう悪いのか、ちょっと調べて見ました。すると「トリハロメタン」というのは一種類の物質ではなく、ある特定の化合物の総称だった事が分かりました。
そもそもメタンというのは、化学式ではCH4と書いて、炭素元素の周りに水素原子が4個くっついた形をしているのですが、この4つ水素原子のうち3つが、ハロゲンという物質に置き換わった形をしています。
ではハロゲンとは何かというと、自動車のハロゲンランプとか、ハロゲン入り歯磨きとかの言葉で代表されますが、フッ素や塩素、臭素、ヨウ素といった物質のことです。
言われてみれば「トリハロメタン」の「トリ」は「3」をあらわし、「ハロ」は「ハロゲン」の事だったと分かりました。
水道水中には、この「トリハロメタン」が何種類か含まれているようですが、代表的なのは「クロロホルム」(CHCl3)です。名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。
昔は麻酔剤として使われていたそうですが、今は毒性があるということで使われていません。またテレビドラマ等で犯罪者が使うシーンもありますが、ハンカチにしみこませた程度では気を失うことはないようです。
さて、で結局水道水中にこれが入っているとどうなんだという最初の話しに戻りますが、どうやら「肝障害」「腎障害」を引き起こす上、「発ガン性」「催奇形性」も疑われるとのことです。
アトピーとの関連はどうかとネットで検索すると、これまたたくさんヒットします。ただし多くのページは浄水器等の業者のページですので、アトピーが悪化するとはっきり臨床例が出ているわけではないようです。
しかししかしだからといって肝障害や腎障害の臨床例は出ているわけですから、体に悪い物質であることは間違いなさそうです。
トリハロメタンは水道水の殺菌消毒と切っても切れない塩素の化合物ですから、残留塩素が多い地区(元々の水源の水質が悪いため塩素の量を多くする)では、やはり浄水器が望ましいのかもしれません。