ようやく搭乗、座席はラッキー

ようやく搭乗

 搭乗時間が近づいたので出国審査に向かう。レストラン街からエレベーターで1階下に下り、中央の出発ゲートに向かう。

 チェックインカウンターは大混雑だったが、こちらは空いている。入る直前にふと気が付いて国際電話のテレフォンカードを購入。このカードは、ダイヤルする番号が多くて煩雑だが、料金はひじょうに安い。1000円で約30分通話できる。

 検査を無事終了し、一番先端のC87ゲートに向かう。最初の頃は家族連れを見かけたが徐々に少なくなり、周囲は新婚旅行やゴルフ族と思われる中年おじさん、妙に脂ぎった如何にもと思わせるような得体の知らない人物、見かけこそ日本人だがしゃべっている内容がちっともわからないアジア系外国人に集約されてくる。

 従って待合室室には通勤電車のような無気味な静けさが漂っている。

 離陸時間30分前に搭乗開始のアナウンス。最初にファーストクラス、ビジネスクラス、ハンディキャップのある人、高齢者や幼児連れから乗り込む。

 それにしてもファーストなんて乗れる人はどんな身分なんだろうか。民間企業が社員を出向させるときファーストを使うのかなあ、それとも我々庶民には及びもつかない高額所得者が、ファーストなんか当たり前、といった感じで予約するのだろうか。羨ましい限りだ。

 しばらくしてエコノミー客搭乗のアナウンス。皆一斉に列に並ぶ。しかし別段焦ることは無い。当たり前だが指定席だからだ。

 もっとも窓側や、手荷物の多い人は早く乗り込みたいだろう。今回の私の手荷物はA4サイズの書類がギリギリ入る肩掛けバッグのみ。この中にパスポート等の重要書類と、ガイドブック、カメラ、常備薬なんぞを入れている。座席は通路側なので、最後の方の列に並んだ。


座席は大ラッキー

 フライトアテンダントの明るい笑顔に迎えられ機内に乗り込む。座席番号を頭の中で復唱しながら、荷物を整理している乗客の間をずんずん進む。

 それにしてもみんな大きな手荷物を持ち込んでいる。もたもたしていると、すぐに頭上の物入れが満杯になってしまう。

 ようやく見つけた変更後の自分の座席番号。お〜っと、びっくり。なんと非常口前の座席であった。かねてより足元が広々としているので、あこがれの座席だったのだが、それが偶然手に入り幸先のよさを感じる。足をゆっくり伸ばせるのは本当にありがたい。

 離陸のときフライトアテンダントと顔を見合わせる形になることもポイントの一つかもしれない。しかし不便なことも当然あった。

 まず頭上の物入れが極端に狭い。これは持参した手荷物がかなり小さかったので、他の場所に一緒に入れてもらいなんとか解決。

 続いて座席上に用意してあった枕や毛布を使わないとき、その置き場所がないこと。バンコク行き午後便では特に寝る必要もないので、必要性をまったく感じなかった。

 さらに食事用のトレイが、肘掛から取り出す方式のため、その面積が少し狭い。食べ物のトレイがギリギリのる大きさだ。缶ビールとそれを注ぐプラスチックコップを置くと、もう目一杯で、あとは飛行機が揺れないことを祈るのみである。

 また万が一の場合は、この座席に座った乗客が脱出シートの補助をしなければならない。最初に脱出できるメリットはあるが、最後まで飛行機のそばにいなくてはいけないというデメリットもあるように思う。まあ普通は大丈夫だろう。

 私は通路側の席だったが、隣の2席には40代の中年男性がすでに座っていた。話の様子からすると友人同士でタイにゴルフをしにいくようである。

 この時期に行くということは通常のビジネスマンには難しいと思うので、もしかしたら同業?なんて思ったりもした。というのも話し言葉になんとなく丁寧さを感じたからである。

 よくみかける横柄なゴルフ族の雰囲気はあまりない。(ゴルフ好きの人、これを読んでたらごめんなさい。でも一般的な感覚からすると、どうも脂ぎった中年おじさんが偉そうにシートにふんぞりかえって、フライトアテンダントを姉ちゃん呼ばわりするようなイメージが私にはあります)

 さて定刻になっても機は一向に動く様子がない。不信に思っているとアナウンス。乗客の誰かが遅れているということだ。

 何らかの理由があるのだろうが、何百人も乗っている飛行機を10分以上待たせて乗り込んでくるというのはどういう輩か興味があったが、残念ながらその姿は確認できなかった。まあそのような人物に限って、エコノミーなんかには乗らないのだろう。


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