入国審査

入国審査は長かった

 期待と緊張の面持ちで空港の通路を入国審査に向かう。飛行機を出た瞬間に温度差を感じた。それもハワイとはちょっと違う湿気を帯びた暖かさだ。しかしその中にハワイと似た芳香を感じ取った。熱帯地方に来たことを実感した。

 人の流れに沿って、周囲を見回しながら歩く。最初の軽いカルチャーショックは文字だ。当たり前だがどこを見回しても日本語は見えず、ミミズがのたくったと表現するより性質が悪い、まったく手がかりの得られない記号が並んでいる。

 自分が行動する手がかりは英語しかない。空港では英語表示がはっきりしているので、それほど迷わずに済む。

 入国審査場所についてびっくり。いきなり長蛇の列だ。ブースは10箇所ぐらい開いているのだが遅々として進まない。

 ここは日本とは違うんだから当然だ、と思いつつも、ハワイですらほとんど待たないのに、なぜこんなに進まないのか気になり、つい背伸びをしたり横から前方を覗き込んでしまう、ある意味せっかちなおじさんである。

 ここまで来ればのんびりすればいいと頭では思うのだが、やはり周りの日本人も気になるようで、そのそわそわした雰囲気が伝わってくる。

 5〜6人進んで、ようやく入国審査の状況が見えてきた。なんと審査のブースで入国書類を書いている乗客がいる。

 あらかじめ機内で渡された書類だが(私の場合はチケット郵送時に添付されてきたので、自宅で記入済み)、これをまったく記入せずに、ここに来て係員に尋ねながら記入しているのだ。

 これはまいった。一人5分では済まないはずだ。しかし係員は別の場所で書けという指示をするわけでもなく、じっと書き終わるのを待っている。列が伸びることにはまったく関心がないようだ。さすがバンコク。妙なことに感心してしまった。

 ようやく順番がきたので、パスポート、帰りの航空券、入国書類を渡す。何も聞かれず、判を押し、手続きは30秒もかからず終了。あっけない。

 エスカレーターで階下に降り機内預けの荷物を探すが、当然すでに取り出されていて近くに置いてあった。これをゴロゴロ転がしながら税関を通過。いよいよバンコク市内だ。


両替は簡単だった

ドンムアン空港 両替 税関を抜ける頃から多数の人々のざわめきが聞こえてくる。その声の大きさと訳のわからない言語に多少びびりながらも空港ロビーに出ると、そこはまだ立ち入り禁止区域のようで、旅行客のみが行き交っている。

 早速両替だ。荷物があるので、それに目を配りながら両替。両替カウンターはいくつもあって、exchangeと大きく書かれているので見つけるのはたやすい。

 問題は言葉が通じるかだが、迷っていてもしょうがないので、空いているカウンターに向かい「exchange please」。向こうは慣れているので、金額を確認してすぐに両替終了。これまたあっけない。

 ちなみに、この後どうしてもお金が足らなくなり、土日だったためホテルでもほんの少し両替したが、これはまさに暴利だった。背に腹は変えられないとはいえ、あんまりだと思う。

 両替率は1割以上も悪かった。それでも日本で両替するよりは良いらしいとの噂も聞いている。(噂だけでやはりホテルが一番悪いと思います)

 もらった紙幣は一番大きい額が1000B(バーツ)。小額紙幣は20B。換算値は1B=約2.65円。ひじょうに妥当な水準だ。

 この後お金を使うときは、常に額面を3倍して円に換算して物の価値を判断した。紙幣にはすべて同じ顔が印刷されている。たぶん?国王だと思う。しかし同じ顔では金額が分かりにくい。

 慌てたり、酔っていたりすると間違えそうだ。どうも子供銀行のおもちゃの紙幣に見えしまう。コインの方はさらに分かりにくい。どうやら形で判断するしかないようだが、このときはまだ全然区別がつかなかった。


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