朝食後の散歩

朝の散歩を兼ねてファミリーマートに出向いてみた

 朝食をしっかり食べ、段々調子が出てきた。そこで、先ずはホテル近くの朝の様子を観察し、今後の行動の参考にすべく、ホテル前の道を挟んだ向かい側にあるファミリーマートに行ってみる事にした。

 後でわかったことだが、実はホテルの裏にセブンイレブンがあり、こちらの方がずっと近かった。ホテルの外へ出るときキーをどうするのかが気になったので、出がけに一応フロントに出向いてみると、キーは持参してよいとの事だった。

 ドアマンに恭しくドアを開けてもらい、明るいバンコクの市内に出た。ホテル前のロータリーを右に進み、片側4車線の大きな通りの歩道に出る。

 朝から車がびゅんびゅん走っている。トラックは少ない。その代わりバスやバイク、それにいわゆるトゥクトゥクと呼ばれる乗り物が、けたたましい騒音と排煙を出しながら行き交う。

 その雑然とした雰囲気にしばし呆然。話には聞いていたが、これがバンコクかあ、と改めてそのすさまじさを認識した。(しかしこの認識は甘かった。実際はもっともっと凄かったのだ)

 排気ガスの臭いを感じながら、歩道橋に向かった。歩いている人はあまりいない。歩道橋の階段下辺りに屋台がいくつか出ていた。

 ちょっと見てみたが、何やら得体の知れない食べ物を売っている。お世辞にも清潔とはいえない環境だ。それでも何人かの客と思しき人が、何かを食べている。周辺には特有のにおいが漂っている。あまり良い臭いだとは思えない。

 歩道橋の階段を上がるために足をかけた瞬間、階段の途中に何やら大きな黒い物体があることに気が付いた。行き交う人はその物体をさりげなくよけていく。

 近づいてみて物体の正体が判明。ただのでかい犬だった。生きているのか死んでいるのかわからないようなだらしなさというか心地よさというか、そんな格好で足を投げ出して歩道橋の階段の途中に引っかかっている。

 飼い犬か野犬か、さっぱりわからない。寝ているだけなのでまったく問題はないが、日本では見かけなくなった光景だ。そう言えばおじさんが小さい頃は、けっこう日本の都会にも野犬がいたりして怖い思いをしたこともある。ノスタルジックな思いをちょっと感じた。

 歩道橋を渡り終えると、そこにも屋台が展開されていた。なんとなく混沌とした雰囲気だ。屋台の間をすり抜け、ようやくの思いで目的地のファミリーマートに到着。店内に入る前にもうすうす感じていたが、日本のような垢抜けた店ではない

 どうも場末の駄菓子屋のような、雑然とした品揃えに見える。もちろん屋台の混沌とした雰囲気に較べれば、格段に垢抜けているのだが、日本のそれと比較するとどこか雰囲気が違う。

 ビールを買おうと思い店内をひと回りしたが、目的のシンハビールが1本しかなかったので購入を諦めた。その他ツマミの菓子の購入も考えたのだが、朝の通勤時間なのか、人々が足早に入店し、颯爽と出て行く忙しそうな様子を見て、気弱なおじさんはレジに行く元気がなくなってしまった。

 今回はちょっと地元勢に負けたかな、という気持ちを抱きながら、元来た道を戻った。日が徐々に高くなり、周囲の気温が高くなっていた。


ピローチップを忘れていた

 およそ30分で戻ってきたが、なんと部屋はクリーニングの真っ最中であった。まさかこんな短時間で戻るとは思っていなかったのかもしれない。フロントで出かける旨を伝えたとき、短時間の散歩とは判断されなかったのだろう。

 当然ピローチップは置いていない。慌てて財布の中を探り20B紙幣を係員に渡した。ハワイではコンドミニアムで生活することが多いので、ピローチップは置いたことがない。ちょっと焦った。

 戻ったついでに、本当に出かける用意をした。小さなバッグの中にカメラ、ガイドブック、無料の飲料水を詰め替えたペットボトル、これに帽子を入れた。出る前に地下鉄の駅の場所切符の購入方法をもう一度復習する。場所はすぐわかるが、切符の購入方法が、ガイドブックを読んだだけではいまいちわかりずらい。

 地下鉄の場合は切符の変わりに黒いトークンと呼ばれるようなものを購入するようだ。、これを改札のしかるべき場所にかざすと書いてあるが、ど〜もピンとこない。さらに自動改札の開閉時間は日本よりも早く閉まると書いてあるが、そこからの脱出方法は書いてない。

 まあ、これも行って恥をかきながら試してみるしかないなと思いつつも、人前で恥をかくのは嫌だな、なんとか完璧にこなしたいものだと内心は考えている小心なおじさんであった。さて目的地はどこかというと、JCBプラザだ。ここでOPツアーを予約しようと考えていた。


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