ナライパン、伊勢丹

ナライパンでお土産の多さに圧倒される

 というわけで、やはり庶民は庶民の買い物をすべきだと思い、ゲイソンをそそくさと出て、隣の「ナライパン」に向かった。ここは国営の土産物やさんということがガイドブックに書かれている。(2013年現在、移転しています)

 まああまり気にしなければいいのだが、やはり国営という業務形態が気になってしまった。ということは従業員は公務員?さらにいうと値段は公正で値引きの可能性はないのだろうか。よくわからないままに、建物の前にたむろしている各種の屋台の間をかいくぐり、中に入った。

 たしか3階か4階建てだった様な気がするが、ともかく土産物の嵐だ。いわゆるタイ名産?のシルクやコットン、これらを使った民族衣装が山と積まれている。かと思うと大小の象やその他の置物、各種の民芸品が所狭しと並べられている。上のほうでは立派な家具まで売られている。

 あまりの種類と数の多さに圧倒される。しかし客は少ない。ワンフロアに10人ぐらいだろうか。むしろ従業員の方が多いように思える。象のお土産なんぞを息子のために買おうかなとも思っていたのだが、あまりの数の多さにかえって購買意欲を失ってしまった。

 また同じようなものが屋台でもっと安く売られていたようにも感じた。一通り回ってみたが、結局是非とも買いたいというものは見つからなかった。


伊勢丹で少しばかり日本を感じ、店員さんの親切に触れ、気持ちが安らぐ

 続いて日本人には馴染み深い「伊勢丹」に向かった。途中「ビッグC」と呼ばれている安売りのお店を通過。伊勢丹はさすがデパートと言う感じだ。雰囲気も落ち着いていて、客もそれなりに入っている。

 とりあえず上のほうに行ってみると大きな本屋さんがあった。ここには日本語の本も多数あって、長期滞在者には便利だろうと感じた。タイ関係の書籍はひじょうに豊富で、日本の大型書店よりも品揃えが良いように思えた。ただし値段がどうなっているのかは確認していない。

 本屋さんのフロアの奥には、小さなお店が集まる一角があって、ここでも土産物や衣服が売られていた。さらにその奥には各種のレストランがあった。昼食時だったらここでもいいかなというお店がいくつもあった。

 こちらはどうやら伊勢丹と同じビルではあるが、名称をセントラル・ワールド・プラザと呼ぶらしい。映画館やボウリング場も併設されているようだ。本屋さんでいくつかフリーペーパーをもらい、順次下の階に降りていった。

 途中男性用のカジュアルウエアのフロアがあったので、物価の調査と自分自身へのお土産を兼ねてポロシャツを購入した。これはエスカレーター横でバーゲン品として売られていたのもので、定価が1000Bぐらい。それが500Bで売られていた。1300円ぐらいだろうか。

 どのポロシャツがいいか物色していると、可愛いお姉さんが寄ってきて「サワディーカー」と挨拶してきた。いきなりだったのとお姉さんが可愛かったことで、しどろもどろになってしまったが、その様子でタイ人ではないと分かってくれたようだ。

 あらためて「私は日本人なのでタイ語は分かりません」。と英語で伝えると、パッチリした目をさらに開いて「ジャパニー?」と感動した様子で返答してくれた。

 いったい何を感動しているのかさっぱり分からないが、このお姉さんの純粋な雰囲気に打たれて、これは何が何でも1着は買わなくてはならん、とシャイなおじさんは意気込んだ。

 とはいうもののそんな簡単に気に入ったデザインが見つかるわけがない。いろいろ「色が」とか「大きさが」とかぶつぶつ言いながら探していると、横で見ている彼女がわざわざ袋から出してあてがってくれる。なんかやることなすこと素朴で感動的だ。

 というわけで、高々500Bの買い物ではあったが、興奮と感動とうれしさに満ち溢れた気持ちで、無事1着購入。ノルマでもあるのかと疑うほど、お姉さんも無邪気に購入を喜んでくれているようだった。

 結局家族への土産を購入するつもりが、一番最初に自分への土産を買ってしまった。若干の後ろめたさと満足感に浸りながら、今度は1階のジムトンプソンの店に向かった。ここは伊勢丹入店時に、帰りに寄ろうと思っていた場所である。


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