ジムトンプソン、プラトゥーナム市場

ジムトンプソンで高級品の手触りを味わう

 伊勢丹の1階にある店だが、本店はもちろん別の所にある。タイ土産と言うと何かと話題になっている店のようであるが、残念ながら、この手の店にはまったく興味がない。埼玉で待っている家族のために、ある意味では義理で購入しようと思っているものである。

 そんなわけで店内に入っても、何を買ったらよいかさっぱり分からない。各種のスカーフやハンカチで溢れている棚を順次見ていくが、インスピレーションはまったく湧かない。

 もっともデザイン的には如何にもタイと思われるものがいくつもあるので、たしかにお土産には喜ばれるだろうなあと感じた。

 高級品や高価格のものを買うつもりはまったくなく、単に記念になればというぐらいのつもりだったので、結局タイシルクのハンカチを4枚購入。価格が約1200B。

 やはりかなり高い。もっとも生地の手触りはすこぶる良い。デザインや色合いもそれなりに気に入った。

 たまたま日本人で同年代の中年おじさんと、奥さんではないらしい女性の二人連れも同じように何やら物色していたのだが、この男性、少しばかりタイ語をしゃべっていた。たぶんこちらの企業に勤めているのだろう。それはいいのだが、なんとなく雰囲気が偉そうだ。

 店員に次々と品物を取ってこさせ、偉そうに値踏みをしている。「こんなものでよけりゃいくらでも買ってやるぞ」という、尊大な態度がなんとなく見て取れる。金があるというのは良い事だが、金によって人格が変わるのは、端で見ていて嫌なものである。

 普段は滅多に行わないショッピングなんぞを2時間も行ったもんだから、いささか疲れてしまった。休憩場所として、伊勢丹に入ったときから目をつけていた、入り口近くの「パティオ」を選んだ。

 洒落たこぎれいな喫茶店である。インターネットでの事前の情報が役に立った。ここでアイスカフェラテ(うまかった)60Bを飲みながら、次の行動予定を考えた。


プラトゥーナム市場を目前にして引き返す

 バンコクに行くにあたって購入した「歩くバンコク」というガイドブックを広げて考え込む。するとこれまた近くにプラトゥーナム市場があるのを発見。内容はよくわからないが安売りの店の集合体のようだ。というわけで、休憩後はそこに向かうことにした。

 ちなみに、この「歩くバンコク」は旅行中ひじょうに役に立った。バンコク初心者は重宝すると思う。なんていっても地下鉄やBTSの駅ごとに、駅周辺の詳しい地図が掲載されているところが良い。

 さて伊勢丹を出て北に向かう。100mぐらい歩くと川を渡った。この川には運河ボートと称される船が行き来しているらしいが、川そのものはとんでもなく汚れている。川と言うより大きなドブである。

 たしかに渋滞はないだろうが、あの川面を疾走するかと思うといささかげんなりである。川を渡りペップリー通りに出た。道路を渡った正面がプラトゥーナム市場である。

 そこではたと考え込んだ。どう見てもこの通りを渡る手段がないのだ。たしかに車用の信号はあるが、歩行者のものはない。もちろん横断歩道はない。

 右を見ても左を見ても、目の前にある信号以外は見えない。となるとあとは歩道橋があるのか、と思ったがそれもない。道路は片側3〜4車線で、交通量はひじょうに多い。

 たしかに地元の人と思しき人が横断してはいるが、どう見ても人身事故と紙一重だ。いやはやとんでもない交差点だ。結局バンコク道路横断初心者の私には、この道を横断することが出来ず、来た道をトボトボ引き返す羽目になった。バンコク恐るべし、である。


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