トラディショナル・マッサージへ

駅構内で中年女性に声をかけられる

 食べながら午後の予定を考えた。バンコクに来てやってみたいことにトラディショナル・マッサージがある。

 翌日はカムチャナブリのオプショナルツアーだし、その次の日はバンコク旅行のまとめとなる日なので、あまり落ち着けないだろう。とするとゆっくり自由時間が取れるのは今日しかない。

 というわけでマッサージを体験してみようと言う気になった。もっとも私は日本でもマッサージなんぞは体験したことがない。インターネットで事前に調べてはあったが、他人の文章を読むのと実際の体験では天と地ほどの開きがある。

 というわけでホテル近くのマッサージ街を目指すことにした。途中BTSの駅構内を歩いているとき、突然こぎれいな中年女性から声をかけられた。早口のきれいな英語で、どこかに行きたいのだが道を知っているかと言っているようだ。

 私は日本に住んでいるのでわからない、と答えるとおばさん俄然元気になって、「私の息子が今千葉県にいます。最近の日本の状況はどうですか」なんてことを畳み掛けるように聞いてくる。

 私のほうの英語力は単語を並べる程度なので、ちっともコミュニケーションは成立していないはずなのだが、それでも勝手にしゃべって勝手に頷いている。

 で最後に、充分打ち解けたと判断したのか、もし時間が合ったらもう少し日本について話をしたいのだがどうか、と誘われた。近くに良い店があるとも言う。

 これはいったいどうゆうこと?頭の中で若干の警報が鳴り、今の状況を改めて見つめ直してみた。

 当たり前だが、どうみてもこの状況は不自然だ。見ず知らずの中年男性(私のことです)に路上で声をかけ、いきなりどこかでお話をという状況は、なにか下心を感じる。

 私自身が普段から女性にもてもてだったら、そうかなるほど逆にナンパされたか、なんて思うかもしれないが、現実はまったく逆だ。

 というわけで、これから行かなければいけないところがあるので、申し訳ないが、と丁寧にお断りをした。時間にして10分ぐらいだったろうか。

 今これを改めて書いていて、もしかしたら本当に話がしたかったのかも、と思わないでもないが、この辺の対応に精通するためには、もっとバンコクでの滞在時間が必要だろう。

 もっとも滞在期間が長くなって、バンコクの街に溶け込んでしまったら、こんな声はかからないかもしれない。(実際最近はこういった声がけはなくなってしまった)


トラディショナルマッサージへ

 地下鉄をファイクワーン駅で降りて、さてどこに行こうかと考える。この辺には名の知れたお店が一杯あるが、ちゃんと選ばないとマッサージパーラーと呼ばれる店に入ることになる。

 というわけで、あらかじめ日本で考えていた候補の店を地図上で調べ、まずは外観を見て決めようと考えた。

 ところが外観で決めるも何も、駅の出口を出たらその前に大きな建物があり、そこが調べた場所だった。まだ昼日中の明るい陽光が降り注いでいる中、こんなでかい建物なのかと思いつつ入り口付近を見ていると、ちょうど数人の客が入っていくところだった。

 人間、一人だとなかなか決心がつかないが、数人だと何とかなることが多い。今回はまったくの一人旅なので他人が行く店は参考になる。

 誰かが入るんならそれほど変な店ではないだろうと考え、ちょっと勇気が必要だったが、重々しいドアを開いた。名前は知る人ぞ知る、漢字二文字の店である。(すでに閉店した店です)

 中に入ると左側に今回のお相手をしてくれる女性が10人ぐらいいた。通路沿いには椅子があって、ここに座って順番を待つ雰囲気だ。

 そもそもマッサージを受けるのに女性を選択できるというシステムが怪しく感じられるが、バンコクではこのタイプの店が多いとも聞いている。

 さらに右奥にはテーブル席なんぞがあったが、ここでは食事も出来るのだろうか。時刻が3時過ぎだったせいか、テーブル席を占領している客はいなかった。さてここからどうしたら良いのだろうか。ともかく初めてなので勝手が分からない


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