トラディショナル・マッサージを体験

事態は勝手に進行

 その内奥から中年のおばさん登場。あれこれ英語で説明してくれるが、ひじょうに聞き取りにくい英語なので、言っている内容が3割ぐらいしかわからない。そこで簡潔にこちらの要求だけを伝えることにした。

 まずトラディショナルマッサージを受けに来たこと。(他の用事で来るわけがない)出来れば英語が少しでも分かる人がよいこと。時間は2時間。で料金は?とたずねると400Bとの返事。それで良いかと聞くので(他の値段もあるのかな?よくわからん)OKを出した。

 するとおばさん、左側に集まっている美女の中から一人を選び出してくれた。しつこいようだが全然勝手が分からないので、この女性に手を引かれエレベーターで階上へ。

 4階ぐらいだっただろうか。ともかくゆっくり周囲を見渡して判断する余裕がないままにどんどん事態が進んでいく。こちらが超初心者だと分かったらしく、女性も対応に若干困っているようだが、笑顔が可愛い。


美しいお姉さんにも全身をみほぐされ、至福のひとときを過ごす

 部屋に入って分かったのだが、この美女、(20代だと思うのでお姉さんと呼ぶことにしよう)ほとんど英語が分からない。中学1年ぐらいの英単語のみである。

 なんだそりゃ、約束が違うじゃないかと思ったが、そのときはすでに個室に入りマッサージ台というか簡易ベッドというか、ともかくそんなものに腰掛けていた。

 続いて係りのおばさんが飲み物の注文を取りに来た。迷わずビールを頼んだが、このビール日本で言うところの大瓶サイズだった。

 お姉さんの方はジュースの類。支払い時に30Bぐらいのお釣りが出たような気がするが、チップでいいかと聞かれたので、いいよと答えたら喜んでくれた。

 (ちなみにその後の経験で分かったことだが、ビールを出すようなお店では、客の方もだいたい怪しい行為を目的として来ているようだ。私はトラディショナルと頼んでいたので、マッサージのお店はどこでも飲み物を頼むのが当たり前だとこの時は思っていた)

 でついに個室でお姉さんと二人きりになってしまった。ちょっと緊張。しかしこちらの緊張もお構いなく、薄いバスローブみたいなものを取り出し、これに着替えてくださいとジェスチャーで示される。

 え〜!女の子の目前で着替えるのか?とシャイな中年おじさんは焦ったのだが、具合よく、お姉さんは準備があるといって部屋を出て行った。

 着替えながら、ようやく部屋の中を見回す余裕が出てきた。広さは3畳ぐらい。シングルベッドと小さなテーブルとテレビがある。その他の調度品は一切なし。照明はちょっと普通より暗め。

 周りを見回しながら、急いで着替える。(この辺で怪しい雰囲気であると気がついても良さそうなものだ)

 いつお姉さんが戻ってくるか分からないので、着替え中に覗かれたらどうしようなんて、小心者はつまらないことに焦るのである。ベッドに腰掛けて待っているとビールと飲み物が届けられた。同時にお姉さんも戻ってくる。

 私が脱ぎ捨てた衣服に目をつけ、壁にかけてくれる。なかなかかいがいしい。二人きりになったところで、ビールとジュースでお近づきのしるしに乾杯。

 どうも個室でうら若き美女と二人というシチュエーションが怪しい雰囲気である。ともすればよからぬ気持ちが湧き上がってきそうだ。(ようやくその雰囲気に気がついた)


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