カムチャナブリのオプショナルツアー(2)

出発はしたが、バスが動かない

 ところが出発はしたものの、時間が遅れたせいで、本格的な渋滞に巻き込まれてしまった。ホテルから道に出るだけで大変だ。

 渋滞している車列に半ば強引にバスの頭を突っ込んでいく。かなり強気で行かないと、永遠に道に出られないのではと不安になるほどの渋滞だった。
フアランポーン駅前の大渋滞
 フアランポーン駅から王宮までの約2kmを進むのに30分弱かかった。平均時速4km。歩くのと変わらない。はるか遠くに見える信号が赤くなっているのを見ると本当にうんざりだ。

 渋滞が激しく、ほとんど車が止まっているので間を歩行者が横断していく。

 さらに車と車の隙間をバイクがチョロチョロ走り回る。要所要所にはおまわりさんが立って交通整理をしているのだが、あまり効果は無いようだ。

 3車線で渋滞しているのに、対向車から強引に右折してきて目の前を横切っていく。ちょっとでも隙があるとすぐに自分の車の鼻先を車列に割り込ませる。

 ひどいときは対抗車線を走っている車もある。もう滅茶苦茶だ。どうして事故が起きないのか、本当に不思議だ。ともかく車が多すぎる。信号の待ち時間が長すぎる。

 王宮を回りこんだ辺りから、ようやく徐々に車が減り始めた。車が少なくなったと見るや、これまで貯めていた鬱憤を晴らすかのように、各車が高速で運転を始める。車間20mぐらいで時速80〜100kmだ。

 信号が少ないから良いようなものの、横からちょっと飛び出しでもあれば、一度に5〜6台を巻き込んだ事故に発展しそうだ。両側にはず〜っとなんらかの建物が続き、いわゆる田園地帯を疾走する雰囲気にはほど遠い。

 さて、本来ならカムチャナプリに行く途中の「ナコン・パトム」というお寺に寄る予定だったらしいが、朝の渋滞で遅れたので後回しということになった。カムチャナプリで列車に乗るためしょうがないともいえるが、これで途中休憩が出来なくなった。

 問題はトイレである。予め渋滞を予想していたので飲み物は控えめにしていたのだが、これは大正解だった。結局カムチャナブリまで休憩なし。2時間40分かかった。

 途中の田園風景は最後までほとんど見ることが出来ず、やたらと王族の看板が目に付いた。王国であるからやむを得ないとも思われるが、数百mごとに王族と思われる写真看板がでかでかと立てられているのは、さすがに飽きる。

 そんな金があったら、もっと違うところに回したらどうかとも思うが、これがお国柄というものかもしれない。それに較べれば、日本の天皇家の宣伝は質素だ。ただし単純には比較できない。

 8時55分、上に書いた「ナコン・パトム」を通過。さらに1時間。まだ着かない。道の両側には合いも変わらず見栄えのしない建物が延々と続く。

 ただし建物の裏手にはもはや建物は存在せず、未開の土地と思われる風景が広がるようになってきた。農家の人と思われる人物が働く姿も見かけるようになってきた。

 カムチャナブリの鉄道は峡谷沿いに作られているはずなので、前方に山が見えるのではないかと思っていたが、排気ガスのせいか、遠方は煙っていて見えない。

 おかしいなあ、と疑問に思い始めた頃、遂に山を前方に発見。ようやく近づいてきた感触だ。道の両側には建物と建物間にサトウキビが見えるようになった。これを満載したトラックも行き交う。


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