第2日目 夕食はいつもの「夢路」

 「ロビンソンデパート」と「ターミナル21」の間の道がソイ19ですね。始めてこの道を歩いたときは、その先の左側路地奧にある居酒屋「花子」に行くためでしたが、街灯はほとんどなく、その中を何やら怪しげな人が行き交っているので、ひじょうに不安だったことを覚えています。

 さらに「ファミリーマート」の手前の路地(キーバンコクがありますね)を左折すると、あたりの雰囲気はさらに怪しげなものとなり、傍らに持っていたショルダーバッグを改めて左手で抱え直した覚えがあります。

 しかも目的地だった「花子」の前には、さらに怪しげな、ちょっと見が何とか組の一番下っ端に見えるような輩が5〜6人たむろしているように見え、その間をかいくぐるのに勇気が入りました。

 今となっては笑い話のような話ですが、これらの輩はお店の呼び込みのお兄ちゃん達で、私が近づくと笑顔で「いらっしゃいませ〜」と言い、ドアを開けてくれます。

 当時の感覚と今の感覚はずいぶんギャップがあって、バンコクの街の雰囲気にも慣れてしまったなあという感慨を持たざるを得ません。

 旅行に来れば来るほど新鮮な驚きが少なくなって、旅行という形態から徐々に居住という形態に近づいていくような気がします。

 そう言った感傷はさておき、「夢路」です。ファミリーマートの店先であるにもかかわらず、屋台が店を拡げていますが、その合間を歩いて左側の「夢路」へ。

 ドアを遠慮なく開けて、目の前の階段を一段ずつ「どっこいしょ」といった雰囲気で上がっていくと、左側がいつものカウンター。

 マスターは私が旅行者であることを分かっていますが、さりげなく気を使って歓迎してくれます。

 バンコクの居酒屋は、どちらかというと現地で現に働いている人が、仕事の後に癒しを求めて寄ることが多いようで、お店の人もどちらかというとそういった顔見知りの人たちを優遇する印象を受けることが多いです。

 ところがこの「夢路」さんに限っては、そのような区別で接するようなことは一度もありませんでした。一人旅の観光客でも気楽に入店できるお店だと保証できます。

 いつものようにカウンターに座り、ハイネケン大を頼み、「ヤキトリ」「サバの塩焼き」「チャーハン」を注文。会計が740Bぐらい。味も日本の居酒屋とまったく同じ。雰囲気も自宅近くの最寄り駅の居酒屋で飲んでいるような感覚です。

 唯一違うのはウエイトレスさんがタイ人だと言うこと。このウエイトレスさんも、ひじょうに愛想が良く、ちょっと親しくなりたいなと思わせる人です。

 試しにちょっと日本語で話しかけてみましたが、メニューの名前は分かるみたいですが、日本語の会話はやはり苦手みたいで、苦笑いされました。残念。

 たっぷり飲んで食べて、いつものように漫画を読んで退店。時刻は8時過ぎ。当然ここからなら行く場所は決まっています。若干の期待を抱きながらソイ19を歩いてスクンビット通りへ。



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