病状と大部屋移動の提案

 8月28日(火)、転院72日目。

 昨日の急な発熱の話を聞いていたので、旅行を早めに切り上げて病院へ。しかしすでに平熱に戻っていて拍子抜け。やはり患者をさしおいて、勝手に遊びに行ってはいけないという戒めか。

 発熱の原因は周期から考えて、「リンパ腫の可能性が大きい」と主治医に言われた。すでにラステットが始まっている。

 病室を出て、帰り際主治医と話をする。

 「CTの結果から、腎臓等の脹れが引き始めている事が確認できました」という朗報。ところが昨日発熱騒ぎがあったばかりなのに、もしよろしければと断りはあったが

 「緊急に入院を要する患者が出ましたので、もし出来るならば四人部屋に移れませんか」という打診を受けてしまった。

 突然なので一瞬答えに窮してしまったが、本人や実家の意向もあるので、病院側の理由を聞いて答えは保留した。病院側の説明は以下の通り。

・ 新しい待機患者がいるが、個人部屋は少ない(Yは入院以来二ヶ月以上個室で治療を受けている)

・ 新しい患者は、いったん個室に入れて、感染の有無を確かめねばならない(院内感染に神経を尖らせている)

・ 病状が回復傾向にあるので、出来れば移ってもらいたい(たしかに回復傾向にあるが、まだ何が起きるか分からない不安がある)

・ どうしても駄目な場合は、今後は差額ベッド代、一日5000円が請求される(これまでは病院側の判断で個室を利用していたので差額代はかからなかった)

 とりあえずYと相談してみた。その結果は、

・ もう少し容態の安定を待ちたい、突然の話で気持ちの整理がつかない。

・ トイレに自力でやっと行ける状態なので、大部屋は不安。

・ 突然発熱するなど病状は予断を許さない。

・ 快方に向かっているという、はっきりした診断の示唆はこれまでなされていない。

・ もう少し現状の容態について説明があり、どのような状態になったら大部屋に移るのか、という基準を明確に説明してもらわないと納得できない。

ということで、今回は断ることに決定した。

 病状の改善で喜び、大部屋移動の話で落ち込むという忙しい1日となった。もっともこれは我々側の勝手な判断によるもので、緊急に入院させなければならない患者さんの立場に立てば、そういつまでも個室にこだわるわけにはいかない。

 私自身、当初はわらをもつかむ思いで入院依頼を行ったのであるから、互いの立場は尊重する必要がある。


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